交換留学への道
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Study Break

International Houseの名に相応しいイベントの一つが、スタディーブレイクである。要は各国の料理を皆に振舞いましょうという文化イベント。当時日本人は私を含め3人(早慶の交換留学生+正規留学生)しかおらず、初めはジャパニーズスタディーブレイクをやるつもりはなかったのだが、Bradに唆されつい「やる」と言ってしまった。

それからが大変だった。何しろ3人で100人分の料理を用意するという企画自体に無理がある。切羽詰りながらも、オーストラリア人のTomやオーストリア人のLaura、ドイツ人のAnnaなど普段私と食事を共に食べている人たちが積極的に手伝ってくれ、何とか準備が完了した。蓋を開けてみると、他国では60人程度の人出しかないにも関わらず、実に120人もの人がジャパニーズスタディーブレイクに集まってくれた(注:人出をわざわざ数えてくれたPeterに感謝)。

たかが和食を少し振舞った程度で世界情勢が変わるわけではないが、世界各国の寮生に助けられ少なくとも自分の中の国際理解は深まったと思う。一人頭100ドルと丸数日の時間を費やした以上の自己満足は得られたのだ。

そして新学期がやってきて、新入寮生のアメリカ人Brianは”I nominate you Tom!”(※)と言っている(ちなみに私の名前は呼びにくいということで、アメリカンなTomという名前を勝手につけられたのだ。私のネームタグまで勝手にTomと書き換えている)。スタッフのWinsomeは”He organized the best study break!”と頼んでもいない前宣伝をしている。そして日本とフィンランドのハーフの新入寮生も”We definitely have to do this. I know how to make sushi!”と鼻息が荒い。個人的には手間と時間のかかる準備はやりたくないのだが、こうして私の肩を皆に押され、今学期もジャパニーズスタディーブレイクをすることになりそうである。

 

※:この場合、nominate youは「君を任命するよ」という意味で使っている。実際にはstudy breakは立候補制で指名制ではないが、一種の冗談として彼はこの表現を使っている。