豊富な留学手段があるゆえに、どの留学に応募すべきか悩むこともあると思います。各種留学制度の詳細は国際センターのwebに譲ることにして、ここでは私が何故交換留学こそ義塾の提供する留学手段の中で最も優れていると考える理由を説明します。
派遣先に学費を納める必要がないため自費留学よりも負担が軽い事は言うに及ばず、留学に必要な経費をカバーできる奨学金制度が充実していることこそ交換留学のメリットです。義塾の場合、場合により派遣先大学から生活費相当の奨学金が得られる可能性がある他、日本政府からの奨学金や、私がお世話になった民間の奨学金など他大学よりも支援体制は強力です。具体的には、義塾からの派遣留学生が年間百名程度(2003年)であるのに対し、こうした奨学金が約10名に与えられます。比較的富裕層が多い本大学では、私のように両親からの経済的支援が得られないケースは極めて稀です。従って、10倍程度の倍率であれば、成績と語学力、課外活動に問題がなく、奨学金を得る相当の理由があれば奨学金を得ることがそれほど難しいわけではありません。私のように経済的に苦しいケースでも、交換留学であれば奨学金を組み合わせることにより留学を実現させることができます。
良い仲間と出会える
他の留学制度では応募者全員が受け入れられるものも多い中で、比較的選考のきつい交換留学は少々敷居が高いと感じるかもしれません。しかし交換留学では、留学先で日本人同士で固まってしまうような学生が少ない点や、世界各国の有名校の学内選考に通過した優秀で多種多彩な学生達と出会えるなど(*)、多少面倒な選考に応募するに十分値する魅力があります。
また、学事手続き上も優遇されていることも見逃せません。例えば、学部で30単位、院で10単位を移行できる交換に比べて、他の留学制度は移行できる単位数が極めて少ないのが現状です。
留学が身近になった今日では、ある程度お金を出したり、学事手続き上の不利益に目をつぶれるのであれば、留学すること自体は簡単です。しかし、留学を通じて最大限の結果をあげ、かつ不利益を最小にしようと思えば、やはり残る選択肢が交換留学であることは今も昔も変わらないようです。
※:慶應の交換留学提携校も、そのまた提携校も総じて各国の有名校が多いようです。例えば、私と毎週テニスをしているカナダ人交換留学生RyanはカナダトップのUBC出身、アメリカ人Jamesはプリンストン大出身のIvy
Leaguer(東京6大学のアメリカ版)です。このように留学先で各国の将来を担うであろう交換留学生と出会えるのも、交換留学の魅力です。