交換留学への道
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印象をコントロールせよ

・自分の印象をコントロールできる人が、面接には強い。服装もしかりで、見た目で目立っても何の得にもならない。誰もが好感を持つさわやかボーイを演出する。白シャツとか、控えめで清潔感のある服装が望ましい。

・ わずか10分間で人となりを見抜くなんて不可能で、面接官は表情とか声の抑揚とか極めて表面的な印象で人物評価をする。だから、明るく元気よく、現地でガンガン友達を作っていけそうな積極性漲る表情が欠かせない。

・ 「面接は論理よりも情」 他の学生よりどんなに優秀でも、「こいつ可愛くない」と思われれば落選。面接なんてそんなものだ。だからハイスコアの語学スコアカードを提出しつつ(=つまり論理的に俺は優秀だとアピールしつつ)、面接では語学力を無駄にアピールしない(=つまり相手のプライドを逆撫でしない)。こうして面接官の語学力や国際性を徹底的に立てる控えめな態度が、結局は「本当は優秀なのに、謙虚で素直な奴だ!」という好印象につながるのである。



 

 

慶応義塾大学の交換留学試験の傾向


交換留学から10年経ち、僕は今、新入社員の面接に駆り出されるようになった。僕の会社では、書類選考に通った学生を、約1時間かけ、これでもかという位、突っ込んだディスカッションをすることで、地頭の良さを見抜く手法を取っている。というのも、面接試験まで通る学生は、TOEICやらSPIで振るいにかけた一流大学の中でも上澄みの学生であって、短時間の面接では差が出ないからだ。また、複数の社員が個別面接を繰り返し、特定の社員の「評価」(悪く言えば「好み」)で合否が決まらない仕組みにしている。

ところが慶應の交換留学選考は、2人の面接官が10分足らずの面接で合否を決めるもの。わずか10分では、ダメな奴は見抜けても、誰が一番かを公平に見抜くのは無理だろう。また、10年以上前の話ではあるが、ある面接官が事前に知り合いの学生を模擬面接した挙句、本番でも自ら面接し、合格させた事例も確認されている。僕は義塾には感謝しているが、だからこそ、後輩のために、こうしたアンフェアな選考が二度と起こらないよう、あえて指摘しておきたい。

つまり、面接試験を公平に実施しようと思うと、個別面接を幾度も繰り返すなど、膨大なリソースが必要になる。そこまで手間暇かけられない交換の選考は、自ずと公平性に限界が生じる。英語圏の大学では、定員2人に17人も殺到することだってある(2006年)のだから、仮に落ちても、それは合格者より能力が劣っているということは意味しない。自分を否定されたと思う必要なんてない。仮に落ちても、単に運が悪かったと割り切って、ガッカリしないで前向きに進もう。

仮に落ちても 合格者より能力が劣っているとは限らない
英語圏は倍率が高いので 期待せず 落ちてもガッカリしない

 


まず、「語学スコアが高いほど有利」なんて考えは捨て去って欲しい。具体例として、ある大学でTOEIC 900超を含む7人の第一志望の学生をバシバシ落とし、第二希望で出願した最低基準点に満たない(つまりTOEICで言えば700前半)学生が受かった例がある。

もちろん、「総合評価」だから語学が全てではないが、裏を返せば定量的な評価に基づく選考ではないということであり、だから最低基準点未満の学生をあえて採用するという極端な事例も生じているのである。従って、必ずしも語学スコア、成績を上げておけば合格するという単純なものではないので、その点をよく理解しておいた方が良い。


なぜ語学力を軽視する人がいるのか


ではなぜ、交換留学の選考なのに、語学力を軽んじる選考結果が出ることがあるのか?その背景には、面接官自身の留学経験が深く影響している。

実は交換留学の面接官というのは、必ずしもハーバードに実力で正規留学したような人ばかりではなく、ちょっと研究留学に行った程度で、英語力もTOEIC 900に達していないと思われる人も混じっている。この研究留学オンリーの面接官は語学力を軽んじる傾向が強い。実は研究留学の場合、研究室という「居場所」が与えられ、研究室の仲間達が少なくとも表面上は会話してくれるので、英語が下手でもなんとかなるものだ。皆でランチに行くときも、一人だけ誘わないわけにもいかないから、義理で誘ってもらえるわけ。要するに、「お客様扱い」してもらえるのだ。だから研究留学経験者は、「英語なんて下手でもOK」的な誤解(本人は成功体験だと思っている)を持ちやすい。そしてこんな誤解に基づいて、語学力そっちのけで学生を選考しがちである。

こうした傾向は会社でも同じで、例えば僕の会社でも、国際経験の豊富な上司は海外案件にはTOEIC 950以上の人材しか投入しないが、国際経験が薄い上司だと「熱意があれば大丈夫」とか、「いろんな若手に国際経験を積ませたい」とか言って語学力そっちのけで人選する。

面接官や上司に言わせれば、各々の価値観に基づいて「俺は公平に人選している」との自負があるのだろうが、結局、面接官の考え方次第で、「合格者に求める語学力」、言い換えれば選考基準が大きく変わってしまうことが、本来公平性を担保すべき選考のメカニズムとして問題なのである。

「総合評価」では語学スコアが高いほど有利とは限らない
面接官次第で求める語学レベルに大きな差がある



義塾の学内選考のポイントは、面接重視であること。早稲田や上智のように、語学力、成績、エッセー、面接結果などを点数化する選考方法ではない。点数化手法ならば成績、語学力が高い程、プラス評価される保証があるが、面接重視型の場合、何を重視するかは結局は面接官次第だ。悪い言い方をすれば、面接官の「好み」にさえはまってしまえば、面接でいくらでもどんでん返しが起こりうる選考である。だからこそ、成績や語学力が高い学生ほど、決して楽観視せず、むしろ慎重に面接に挑むべきだ。

しかし文句を言っても仕方が無い。本当に優秀な人とは、実力も優れ、いかなる考えを持った面接官にも上手く自分を売り込める人である。人の「能力」なんて語学スコアや成績を見ればある程度分かるもので、わざわざ面接でアピールするものではない。面接で訴えるべきは相手のハートに響く熱意であり、努力である。例えば語学力をアピールしたい場合でも、単にハイスコアを述べるだけではダメ。面接官の語学力を上回っている場合は、相手の鼻についてしまい、可愛げがないと思われかねない。むしろ、ハイスコアに至るまでの涙ぐましい努力と、交換留学に向けた熱い思いをアピールすべきだ。「努力した」という事実なら、誰だって好感を持つわけだ。

この様に、能力を単刀直入にアピールするのではなく、相手のハートに響くように話を展開すべきだ。態度や身なりもしかりで、誰でも好印象を受けるような明るく元気な態度と、品のある服装が望ましい。ほら、スポーツも勉強もできて、おまけに心優しいハイスペックな友人が、一人や二人、居るでしょう。イメージとしては、そういう人間がこの手の面接では強いのだろう。

面接重視の選考では客観的な能力よりも感情論が重要
能力のアピールより 相手のハートに響くように話を展開しろ