交換留学への道
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グループワーク

オーストラリアの教員はグループワークが大好きだ。建前上「皆で教えあおう」という理由で導入されているが、個別に課題を出すとプレゼンの時間が確保できないというのが本音らしい。それはそれで合理的な理由だから良い。問題は、グループワークが良い教育法なのかだ。

結論から述べると、チームメート次第で良くも悪くもなる。Diary 4に登場したJimとAnnaと組んだグループは、皆が互いに助け合うというグループワークの理想形であった。僕の場合、全般的にチームに恵まれていたが、グループワークに不満を持つ人は多い。例えばお向かいさんのBrianのグループには、英語が不自由な留学生が混じっているらしく、留学生が実質的に仕事をしない分、彼に負担が圧し掛かるのだと愚痴っていた。教員の立場から見ても、どの学生がどれだけ貢献したのかをプレゼンやレポートから推し量るのは難しい。一生懸命やったのに、他人に足を引っ張られて低評価を付けられた日には、脱力感と悔しさだけが残るに違いない。そんなこんなで、Brianが「グループワークは嫌い」と言うのも尤もだ。

しかし、愚痴を言っても仕方ない。ここから学ぶべきことは、「強いチームを作れ」ということである。早速僕はこれを新学期に実践した。まず初めの授業に早めに行き、「できそう」な学生を中心に友達を作った。そして気の合いそうな学生と一緒にテーブルを陣取れば、教員は自然に私達をグループに分けてくれるのである。こうして、今学期の僕のグループワークは順調に進んでいるのだ。

考えてみれば、グループワークって社会の縮図だ。一人で完結してしまう仕事なんてごく一握りに過ぎず、現実には他人に助けられ、時には足を引っ張られつつ、チームで仕事をこなしていくのが会社なのだ。強いチームメートの獲得に奔走し、チームの一体感を高めるべくバー・ホッピング(飲み屋巡り)の企画をしたりと、せっせと「強いチーム作り」に励むうちに、これって意外と社会勉強になってるんだなぁと感じるのだ。そうポジティブに捉えれば、学生に不評のグループワークも悪くないかなと思えてくる。